大部分の高血圧は自覚症状はありません。これをいい事にほうっておくと将来脳出血、脳梗塞などを発症するリスクが増えます。(※表1)
【表1】血圧値別にみた脳卒中発生率
血圧140/90mmHg以上で有意に脳卒中発症率が増加します。高いほうの血圧(収縮期血圧)が10mmHg上昇すると脳卒中のリスクは10~15%上昇するといわれています。心筋梗塞発症のリスクも同様に増加します。このことをふまえて血圧コントロールの目標値が決められています。 (※表2)
診察室血圧(㎜Hg) | 家庭血圧(㎜Hg) | |
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75歳未満の成人 ※1 脳血管障害患者 (両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なし) 冠動脈疾患患者 CKD患者(蛋白尿陽性)※2 糖尿病患者 抗血栓薬服用中 |
<130/80 | <125/75 |
75歳以上の高齢者 ※3 脳血管障害患者 (両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞あり、または未評価) CKD患者(蛋白尿陰性)※2 |
<140/90 | <135/85 |
※1 未治療で診療室血圧130-139/80-89㎜Hgの場合は、低・中等リスク患者では生活習慣の修正を開始または強化し、高リスク患者ではおおむね1ヵ月以上の生活習慣修正にて降圧しなければ、降圧薬治療の開始を含めて、最終的に130/80㎜Hg未満を目指す。
※2 随時尿で0.15g/gCr以上を蛋白尿陽性とする。
※3 併存疾患などによって一般に降圧目標が130/80㎜Hg未満とされる場合、75歳以上でも忍容性があれば個別に判断して130/80㎜Hg未満を目指す。
降圧目標を達成する過程ならびに達成後も過降圧の危険性に注意する。過降圧は、到達血圧のレベルだけでなく、降圧幅や降圧速度、個人の病態によっても異なるので個別に判断する。
【表2】降圧目標 JSH2019ガイドライン
また最近では家庭での血圧が重要視されています。朝、夕ご家庭での血圧測定をお勧めします。(当院では血圧計の貸出しをおこなっています。お気軽に御相談下さい)
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